30年以上もの間に数枚のLPと多数のCD/CDRを発表していながら、ほとんど話題に上ることなかった、特殊奏法満載の謎のシアターピース演奏グループPhren。数年前にEdition Telemarkが取り上げたが、中心人物は去り、残存メンバー2人だけになっていた。これはその黄金時代70年代初頭と80年代の演奏をまとめたボックスセット。すべて初出のもので、3枚のうちの前半は80年代、後半は71年と74年。LP/CD時代を通じて数人での酔っぱらい即興演奏やオリジナル作曲作品の弦楽四重奏が中心で、それ以外にも例えば85年の1枚目A面は"Theaterprojekt"という通り楽器はほとんど使われない声とアクションによる異端劇風の内容。84年の2枚目A面は弦楽器/管楽器5人の静かで怪しい演奏で、これらも彼らの強烈な個性だが、白眉は71年の弦楽四重奏。かすれ、きしむ音がトグロを巻きつつ不協和なアンサンブルを奏でる。70年代の録音を収めたLPは現在これだけなので貴重。入手が難しくなりつつある。
＜試聴＞ disc 1 side A / disc 2 side A / disc 3 side A

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