1983年、東京音楽大学の湯浅譲二ゼミに参加していた学生たちが思いついた、「テープ交換」というシステム。３分間の曲を作って録音し、それを持ち寄って交換。余白に自分の別の曲を録音して、再び交換。テープ各面に５曲が埋まった時点で一旦打ち止めとし、販売する。いわば現代美術におけるメールアートの音楽版。この「月間カセット」と名付けられた活動が終わって数年後、その中から選んでCD化したものが本作である。もともと長さと期限を与えられ、無理やり作った曲たちだから、完成度を論じる意味はなく、ゆえに「即席音楽（インスタント・ミュージック）」という題名となった。各曲はコンセプトが示されているが、そんな説明抜きでも、どれも実にチープな面白さに溢れている。鈴木治行の発泡スチロール演奏(tr.12)、企画者・白鳥俊のワークショップと演奏（？）(tr.6)、内山泰一の「象印の唄」(tr.4)などなど20曲。在庫が眠っていると知り、30年の時を超えて降臨した！いまそれなりの地位になった人たちにとっては黒歴史かもしれないが。
＜試聴＞ tr.4 / tr.6 / tr.12

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