美術家・西原尚が製作する大げさなジャンクオブジェは、プリミティブな材料と構成、そして音を出しながら動く音の作品でもあった。一方で自身がそのジャンクの一部となったかのようなキテレツな格好でパフォーマンスも行ってきた。今回は2016年にNYのスペースで行われたパフォーマンスを編集したもの。「音楽家」である恩田とコラボなので、それまでのような美術家的なノリは影をひそめ、空間の残響を生かした鋭利な音響は、サウンドアートの大御所に後塵をあびせる厳しい演奏となっているのは驚き。tr.2ではリリース元が好みそうなバトル状態の盛り上がりもある。Nick Scavoの解説を金子智太郎が邦訳している。
これはカタログとの少しだけお得なセット。2011年に横浜のスペースBankART 1929で、若い作家たちのための個展シリーズの際に発行された簡素な図録。

＜試聴＞ tr.2 / tr.4

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