天下の独グラモフォンがまだアヴァンギャルドにも理解があった70年代、この無名の音声詩作家のLPを出したことはほとんど知られていないが、極北マニアには有名（Broken Musicに記述あり）。「そのまんま」な復刻も多いこのレーベルにしては珍しく、今回はこの作家の未発表音源である。グラモフォンLPの内容が多少のテープ加工を伴ったとはいえやや地味だったので警戒したが、本作は解体的とは言えないまでも、ガイキチ一歩手前のアブナさが感じられる高内容。全体に多重録音が使われ、時にヴォイス・パフォーマンス的なキテレツな声が入ったりする。アートレコードながら愛がなくても楽しめる。新品発掘在庫2部。
＜試聴＞ side A / side B

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